国際教育班は、国家・地域・国際の各水準で展開される教育が重層的に機能することに着目し、教育がいかにして和解と平和を育むことができるのかを探究する。本班は、教育が人々の記憶や価値、感情、アイデンティティの形成に直接的に関与する営みであることを踏まえ、国際教育、平和構築、和解研究の知見を横断的に統合しながら、教育を通じた主体の形成とその変容の可能性を理論的に検討する。こうした観点から教育を捉えることで、静態的な対立観や単線的な紛争解決の枠組みを乗り越える新たな視座の提示を目指す。
こうした問題関心に基づき、国際和解学叢書において本班は、国際教育が和解と平和の形成に果たす役割を批判的に分析する英語編著の刊行を進めている。本書は、アジアにおける多様な事例を中心に、個人、地域、国家、地域間、さらにはグローバルな水準に至るまで、国際教育が平和と和解を支える実践としてどのように展開されてきたのかを明らかにする。特に、政策枠組み、二国間・多国間の協力関係、教育機関のプログラム、各種カリキュラムなどを分析対象とし、それらの中で権力、政治、正義、アイデンティティといった要素がどのように交錯しているのかを検討する。
本書は、歴史的・社会的・地政学的に多様なアジア地域における教育実践の比較分析を通じて、和解と平和構築を教育の観点から再考するための理論的枠組みを提示するとともに、政策および実践に資する具体的な指針を示すことを目指している。

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